会社の仕事で経理処理や英文開示について勉強する必要があり、CPAラーニングという学習サイトを利用してみました。簿記や会計、ファイナンスを無料で学べるCPAラーニングを利用した感想などを紹介します。
簿記・会計を完全無料で学べるCPAラーニングとは
CPAラーニングの概要
CPAラーニングとは、CPAエクセレントパートナーズ株式会社が運営しているオンラインの動画学習サイトです。CPAエクセレントパートナーズ株式会社は、公認会計士試験で高い実績(※)を出している資格スクールである「CPA会計学院」を運営している会社です。
※令和5年の公認会計士試験において、合格者1,603名の内973名(合格者占有率:60.7%)がCPA会計学院でした。
出典:CPA会計学院ホームページより
CPAラーニングは、アカウントを作成してログインをすれば誰でも無料でテキスト(PDF)をダウンロードして、講師による講義動画を視聴できます。個人情報の入力は必要なく、メールアドレスとパスワードのみの入力でアカウント作成ができます。
【公式】CPAラーニング
公認会計士のスクールを運営している会社だけあって、簿記・会計関連の講座が充実しています。簿記・会計以外にもたくさんの講座が用意されていますので、その一部を紹介します(2024年12月15日現在)。
分野 | 講座 |
ビジネス、 | M&A実務 入門、M&A実務 初級、M&A実務 実践編 |
労務管理 | 人事労務管理 入門、人事労務管理 初級 |
IT | 会計Exce l基本編、会計Excel 実践編 |
税務 | 税務実務入門、税務実務 法人税、税務実務 所得税、税務実務 消費税 |
YouTubeやネットで調べるより、(まとまった時間があるなら)CPAラーニングの講座のほうがプロの講師が解説するので信頼性が高いです。
勧誘や営業はあるのか
アカウントを作成する際にはメールアドレスとパスワードの入力のみなので、勧誘や営業電話がかかってくることはありません。
登録しているメールアドレス宛に新規動画の案内などが送られてきますが、有料の講座案内はないです(気づいていないだけかもしれません)。
無料でこれだけの講座を開放するのは、同社は公認会計士試験対策スクールを運営しているので、受験生の裾野を広げる意味もあると思います。
また、転職支援サービス事業なども展開しているので、そこへの誘導も考えているのかもしれません。
どちらにせよ、対応に困るような勧誘や営業などはありませんので、安心して利用できます。
個人的に有益だった講座
CPAラーニングは会社の仕事でリース会計について調べる必要があったり、英文の財務諸表のことを調べる必要があったので日商簿記検定の2級・1級講座と英文開示の講座を視聴しました。知識のアップデートや新しい知識の仕入に有効でした。
日商簿記検定2級と1級(リース会計の部分のみ)
リース会計について知識をアップデートする必要があったので、簿記2級と簿記1級の講座の中でリース会計の部分についてだけ視聴しました。
日商簿記検定であれば、3級・2級・1級のテキストをPDFでダウンロードできます。ダウンロードできるテキストは紙媒体で市販されているものなので完成度は高いです。講義も有料レベルの内容です。
日商簿記検定を受けるなど資格取得が目的であればテキストを購入したほうがいいです。
しかし、ソラタロウのようにピンポイントで勉強したいのであれば、PDFのダウンロードで十分です。
また、簿記1級を受けようと迷っているのであれば、CPA ラーニングでレベル感を確認して、有料講座の受講を検討するのもありだと思います。
英文開示 基礎編・実践編
決算資料の英文開示についての講座は、以下の2つを視聴しました。
・英文開示 基礎編
・英文開示 実践編
訳語の具体的な調べ方が紹介されていました。
勘定科目の英訳リストを金融庁が出していることや東京証券取引所のサイトには「日英対訳集」があることなど、仕事で調べる必要がある際に役に立つ情報でした。調べ方って意外とすぐには分からなかったりするんです。
参考書籍なども紹介されていました(「金融英語の基礎と応用~すぐに役立つ表現・文例1300(鈴木立哉著、KS語学専門書)」など)
いかに分かりすい英文を書くかについて要点をまとめて解説してあり、日本語の文章を書く際にも参考になります。
例えば、以下のような点です。
・抽象的な内容は思い切って省略する
・結論を先に述べる
・受動態・能動態の使い方
・中学校でならう簡単な言葉を使う(=分かりやすさを重視する)
・覚えてもらいやすいフレーズを使う(ナイキのJust do it、マクドナルドのI’m loving itなど)
ソラタロウが最近読んだ本では、「20歳の自分に受けさせたい文章講義(古賀史健著、講談社)」なども同じようなことが書いてありました。
文章の書き方は、日本語であっても英語であっても通じるところがあると感じました。
情報よりも行動に価値がある時代になった
インターネットが普及する前は情報そのものに価値があった
昔は情報そのものに価値がありました。簿記検定で言えば、日商簿記1級のテキストなどはなかなか書店では売られていませんでした。専門学校にお金を払い、通学して初めてテキスト(=情報)が手に入ったのです。
新入社員の頃(20年以上前)は、簿記3級・2級の勉強をするために大原簿記学校やTACといった資格学校に受講料を払って通学しました。
当時はオンライン講座などもなかったので(DVD形式の通信講座はあったが、オンラインに比べると利便性に劣る)、「受講料」だけでなく、通う「時間」も確保する必要があり、学校の(つまり専門学校があるような都会の)「近くに住んでいる」ことも必要でした。
語学(例えば英語)にしても、ソラタロウが大学生の時は英語の音声を手に入れるためにCD付きの教材を買っていました。
当時は無料で学べる媒体そのものがなく、インターネットも普及していなかったので対面で教えてもらうことが主流です。情報を得るには相応のコスト(住んでいる場所によっては相当なコスト)が必要でした。
それでも、「知っている」ことが大きなアドバンテージになり得たので、多大なコストを払って情報を入手していたのですね。
今は情報よりも行動することが重要
「お金」がない、「時間」がない、田舎に住んでいると「学校」が近くにない、などなど、昔はいろんな言い訳ができました。
でも、ネット環境があれば無料でいろんなことが勉強できる時代になったので言い訳できません。
ネット環境があればある程度のことは調べたり勉強できるようになりました(もちろん、無料では限界があり、お金を出したほうが高品質であることは事実ですが)。
語学であれば、今はYouTubeでも英語の音声・解説動画が溢れており、情報に簡単にアクセスできます。
簿記もCPAラーニングのような講座を使って無料で勉強することができるようになりました。
投資の勉強も無料でできる環境が整っています(ソラタロウはそれでも本を買って読んだほうがいいと考えるタイプですが)。
情報を得たら、まずは行動(実際に証券口座を開設して小額から定期の積み立てを開始するなど)して、大きく間違えないようにスモールステップでやっていけばいいと思います。
投資であれば、実践しながら自分の許容範囲(リスク許容度)も分かってきますし、新しい発見もあります。
情報そのものの価値が相対的に低くなり、行動そのものに価値が出てきたのだと思います。
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