2024年11月30日に「個人投資家が選ぶ! Fund of the Year 2024」に投票しました。
Fund of the Yearの2007年から2024年までの歩み、ソラタロウが投票した投資信託、その投票理由について紹介します。
「Fund of the Year」のこれまでの歩み
当初はアンケート企画として2007年に開催
ソラタロウが投資信託について知ったのは2010年くらいで、その3年前の2007年には「2007年 投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year」が始まっています。
2007年12月20日の以下のアンケート企画がスタートのようです。
2007年12月20日の記事
「2007年 投信ブロガーが選ぶ Fund of the Year」
さらに、このアンケート企画を考えたきっかけの一つが、記事の中で触れられている別の投信ブログの記事だったようです。
2009年からは独立したwebサイトで運営
2009年からは独立したwebサイトで賛同者の方々と運営がスタートしました。ここで運営委員長からのごあいさつの中で「この企画のきっかけ」等について発表がありました。
運営委員長からのごあいさつ(一部抜粋)を紹介します。
…(前略)…
ここ数年、投資信託に自ら投資している個人投資家でブログを開設、発信する方々(投信ブロガー)が増えてきました。昨年の金融危機にも屈せず、地道に続けておられる投信ブロガーが沢山いらっしゃいます。
そんな投信ブロガーの皆さんのお声を元に、真に「持続可能性」を感じられるそんなファンドを選びたい、顕彰したい、 というのがこの企画の原点です。
…(後略)…
出典:投信ブロガーが選ぶ! Fund of the year 2009」:運営委員長からのご挨拶
こうして見てみると、いろいろな人がそれぞれの想いをネットで発信し、具体的な企画となり、現在の形に至ったことが分かります。
販売会社・投信会社が企画した商品を買うという、これまで誰もが当たり前だと思っていた現実に一石を投じました。
今まで静かだった水面に小さな石を投げ入れることで水面に揺らぎが生じて、様々な科学反応が起きました。
2024年からは「個人投資家が選ぶ! Fund of the Year」として衣替え
2023年までは「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」という名称で投信ブロガーでなければ投票できませんでした。
しかし、2024年からは「個人投資家が選ぶ! Fund of the Year」と名称が変更になり、個人投資家であれば投票可能となりました。
運営委員会からの発表(一部抜粋)を紹介します。
…(前略)…
議論を重ねた結果、私たちは、ブロガーに限らず多くの個人投資家に投票してもらうこと、個人投資家がよいと思う投資信託の選択肢をより広げること、個人投資家の声をもっと証券会社や運用会社に届けること、などを方針として、イベントの名称と内容を以下のように新しくすることとしました。
〇次回の名称を「個人投資家が選ぶ! Fund of the Year 2024」に変更する予定です。
…(後略)…
出典:個人投資家が選ぶ! Fund of the Year 2024
2024年の投票ルールは主に以下の通りです。
・【投票部門】「インデックス部門」と「アクティブ部門」の2部門(どちらか1部門のみの投票も可)
・【投票数】1つの部門に対し、最大3つの投資信託に投票
・【配点】1つ目の 投資信託に3点、2つ目の 投資信託に2点、3つ目の投資信託に1点が配点。 1つ目だけ/1つ目と2つ目だけの投票も可
投票日は2024年11月1日から11月30日まで、結果発表は2025年1月24日に渋谷で予定している新年会イベント「『個人投資家が選ぶ! Fund of The Year』投資家&運用会社★新年会」で行われます。
インデックス部門で3つの投資信託に投票した
ソラタロウはインデックス部門で2ファンド、アクティブ部門で1ファンドの投票をしました。
投票①:【インデックス部門】eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
インデックス部門の配点3点は、三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 」。みんな大好き「オール・カントリー」です。
投票理由
・オンラインを活用した運用会社からの情報発信が比較的多く、個人投資家の「長期」投資に資する取り組みがある
・これ1本で全世界の株式に「分散」投資できる
・「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける ファンド」であり、「低コスト」の手間がかからない(乗り換えを考慮する必要がない)
・(結論)「長期・分散・低コスト」の3拍子が揃っている。
ソラタロウは2024年に新NISAが始まったのを機に運用商品をオール・カントリーに一本化しました。
私の現在の積み立てについては、以下の記事を参照ください。
【関連記事】
つみたてNISA(旧NISA)でインデックス投資を始めたきっかけ
我が家での投資資産に占めるオール・カントリーの構成比率は約6%ですが、時間の経過とともに比率が上昇していく予定です。買うなら、淡々と世界中の企業を時価総額比で買い付けているオール・カントリーを、淡々と毎月購入です。
余談ですが、日経トレンディが発表した「2024年ヒット商品ベスト30」のヒット商品第1位には、なんと『新NISA&「オルカン」投資』が選ばれていました。たまたまコンビニの雑誌コーナーで見かけてびっくりしました!
“投資”がヒット商品になるなんて、Fund of the Yearが始まった2007年には考えられないことです。新NISAの影響力もさることながら、それだけ投資に興味を持つ人が増えたということですね。
三菱UFJアセットマネジメントの「オルカン広場」というページでは日経トレンディでの受賞が宣伝されていました(「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year2023」で第1位だっとこともしっかり宣伝されていました)。
【ヒットの概要】
・投資枠の拡大、無期限化などNISAの大幅拡充で投資熱の高まりが加速した
・初心者向きの全世界株式投信に1兆8000億円が流入した
投票②:【インデックス部門】eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
インデックス部門の配点2点は、同じく三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 」。
投票理由
・アメリカのトップ企業を選抜している(時価総額だけでなく財務の健全性も考慮されている)
・銘柄が500と十分に分散されている
S&P500はアメリカの大型株の中から「所定の条件をクリアしたもの」が入ります。まさに「アメリカの選ばれし企業群」でキラキラ感がありますね。
オール・カントリー以外で、もしソラタロウがメインで購入するとすれば、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」です。オール・カントリーがあるのでメインで購入することはないと思いますが…。
投票③:【アクティブ部門】セゾン・グローバルバランスファンド
アクティブ部門の配点3点は、セゾン投信の「セゾン・グローバルバランスファンド」。
投票理由
・株式と債券の比率が半々でバランスに優れている
・セゾン投信の商品構成はシンプルなので、購入する際に迷い(※)が生じない(例えば、楽天証券のHPは直観的に操作しやすいとはいうものの、投資自体に興味のない人には難しいかもしれません)
・手厚い顧客サポート(長期投資をサポートしてくれる)
・日本の低コスト投資信託の先駆者としての功績を考慮
※2024年11月30日現在でセゾン投信で取り扱っているのは、シンプルに以下3商品のみです。
・セゾン・グローバルバランスファンド
・セゾン資産形成の達人ファンド
・セゾン共創ファンド
ソラタロウがもし、投資に詳しくない親戚や友人に投資信託を勧めるなら「セゾン・グローバルバランスファンド」です。皆が皆、株式100%のファンドを好むわけではありませんから。
国内外の株式と債券に50%ずつ投資し、リバランスも自動でやってくれるので株式100%に不安を覚える人には安心感があると思います。
これらを総合的に考えると、今となっては若干高い気がする信託報酬(0.56%±0.02%)も許容範囲に入ります。
ちなみに、中野晴啓さんがセゾン投信を創業したのがFund of the Yearが始まる前年の2006年です。
そして「セゾン・グローバルバランスファンド」の誕生日(設定日)は2007年3月15日です。Fund of the Yearと「セゾン・グローバルバランスファンド」は同い年だったんですね。
これからも持続可能な投資信託の維持・開発が行われて欲しい
改めてFund of the Yearのこれまでの歩みを振り返ってみます。
2007年のアンケート企画に始まり、2009年からは独立したwebサイトで賛同者の方々と運営スタート。
2008年からは上位入賞した投資信託の運用会社を招き、運用会社も受賞商品を意識するイベントになりました。
10周年となる2016年には、当時の金融庁長官である森信親氏よりお祝いのメッセージを受けるまでになりました。
お祝いのメッセージ(一部抜粋)を紹介します。
Fund of the Yearの「投資商品を評価する仕組み」と「情報発信」が一目置かれていることが分かります。
…(前略)…良質な投資商品を普及させる上で、投資家自身が投資信託の質の向上に向けた取組みを進めていくことは、とても有意義だと考えます。皆様には、投資を行う顧客の目線に立って、投資商品を客観的・公平に評価し、広く発信していく運動を更に深化させていただければ幸いです。
最後になりましたが、「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year」の益々のご発展を祈念いたしますとともに、今後とも、金融行政に対し、個人投資家の皆様からの忌憚なきご意見を頂戴できますよう、この場を借りてお願い申し上げ、私からの挨拶とさせていただきます。
2017年1月14日
金融庁長官 森 信親
出典:「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2016」
2007年のアンケート企画から数えると2024年で計18回の開催になります。
まるで雪だるまのように少しづつ大きくなり、注目度も高まってきましたね。
情報発信による個人投資家への影響だでなく、個人投資家と金融機関の間で双方向のコミュニケーションが生じるきっかけを作った意義は大きいと思います。
「個人投資家が選ぶ! Fund of the Year」の運営の皆様の活動、そして、その地道な活動により個人投資家と金融機関との間に双方向のコミュニケーションが生まれたことに、心から敬意を表します。
多くの個人投資家がFund of the Yearへの投票を通じてイベントに参加し、その意見を参考に金融機関が商品開発をする素地ができました。
これからも、個人投資家と金融機関が双方向のコミュニケーションを通じて持続可能な投資信託の維持・開発が行われることを願います。
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