投資信託によるインデックス投資のきっかけは勝間和代さんの本だった
2010年位だったと思うのですが、休日にTSUTAYAの前を通りかかった際に、店頭のワゴンに入った勝馬和代さんの本を発見しました。
「お金は銀行に預けるな~金融リテラシーの基本と実践~(光文社新書)」という本です。中古本で多分、200円位で売られていたと思います。
何となくその中古本を手に取って購入しましたが(その時暇だった)、そこには私の知らない世界がありました。
内容はいたってシンプルで、証券会社で証券口座を開設し、日本株式・外国株式・日本債券・外国債券に1/4づつ投資をしましょう、というものでした。
勝馬さんは複雑なことをシンプルに説明してくれるので話が非常に分かりやすいですね。世の中には投資信託というもの(いろいろな会社の株や債券をつめこんだもの)があるらしい、その投資信託にも様々な種類があり、日本株式・日本債券・海外株式・海外債券を投資対象とするものがある、ということを知りました。
以下の表は日本の公的年金の運用を行っている「年金積立金管理運用独立行政法人」のホームページに掲載されている2024年度の運用資産額と構成割合です。
きれいに、日本株式(国内株式)・日本債券(国内債券)・海外株式(外国株式)・海外債券(外国債券)に1/4(25%)配分されていることが分かります。
また、収入には「労働による収入」と「金融資産による収入」があることも学びました。
当時は投資という言葉が今のように一般的ではなかった時代でもあり、私にとっては未知の世界に遭遇したような感じでした。
日本株式・日本債券・海外株式・海外債券に均等に投資する、というシンプルな内容であるがゆえに、その内容が頭にすっと入ってきました。
さっそくフィデリティ証券で口座を開設するも挫折
勝間さんの言葉に従い、さっそくフィデリティ証券というところで証券口座を開設しました。フィデリティ証券を選んだ理由は、勝間さんの本でも紹介されていたことと、ネットで検索すると「世界的に有名な証券会社」と書いてあったことでした。それ以外の特段の理由はありませんでした。
しかし、少額とはいいつつも当時は1万円単位(楽天証券・SBI証券では2017年5月に投資信託の購入単位が100円になる)でしか積み立てができず、投資信託の購入は1年も続きませんでした。それというのも、家計は妻が管理しており、私が投資に回せるお金がほとんどなかったからです。
妻に上手に投資について説明できれば良かったのですが、それもできず・・・。
「倹約の重要性」と「インデックス投資」について本を通して学んだ
勝間和代さんの「お金は銀行に預けるな」以外では、「倹約の重要性」と「インデックス投資」について以下に紹介する本で学びました。
「倹約の重要性」について学んだ本として、「私の財産告白」(本多静六、実業之日本社文庫)と「隣の億万長者」
(トマス・J.スタンリ−/ウィリアム・D.ダンコ、早川書房)」の2冊が特に印象に残っています。
書名 | 内容 |
「私の財産告白」 (本多静六、実業之日本社文庫) | 倹約により余剰資金を生み出し、それを投資や貯蓄に回すことの重要性が説かれています。時代背景が現代とは異なるのでそこは考慮する必要はありますが、本質的な部分は現代にも通じるものだと思います。 |
「隣の億万長者」 (トマス・J.スタンリ−/ウィリアム・D.ダンコ、早川書房) | お金持ちほど質素であるということを様々なデータを通して示しています。日々の生活習慣がいかに重要かということを痛感しました。 |
それまでは、会社では毎日、自販機でお茶や缶コーヒーを買い、会社帰りにはコンビニで買い物をして家に帰る。漫然とお金を使う。こんなお金の使い方に何の疑問も持っていませんでした。
倹約の重要性を意識して以降、コンビニの利用も控えるようになりました。
しかし、不思議なことに何かを我慢しているという感覚にはなりませんでした。むしろ、清々しい気持ちになりました。
自販機やコンビニで必ずしも必要ではないものを購入するのは、ある意味で習慣になっていただけなんだと気づいたからです。
考え方を変えることで、お金に対しての感覚が変わることも実感しました。
「インデックス投資」について学んだ本として、「積立投資のすべて(星野泰平、現代の錬金術師シリーズ)」と「ウォール街のランダム・ウォーカー(バートン・マルキール、日経BPマーケティング)」の2冊があります。
書名 | 内容 |
積立投資のすべて (星野泰平、現代の錬金術師シリーズ) | 積立投資の特徴・利点・弱点などを網羅的に学ぶことができました。様々なシミュレーションによって積立投資の成果が変わることが示されており、読めば読むほど考えさせられる内容でした。 |
ウォール街のランダム・ウォーカー(バートン・マルキール、日経BPマーケティング) | 個別株投資ではなくインデックス投資がなぜいいのかということを繰り返し何度も語っています。まさにインデックス投資の教科書とも言うべき古典的名著です。 |
特に、星野泰平さんの「積立投資のすべて」では、継続がいかに大事かということを様々なケースによって学びました。
積立投資がどのようなものなのか、そのメリット・デメリットを知ることで安心して資金を投入することができるようになりました。
2018年に「つみたてNISA(旧NISA)」がスタートしたタイミングでインデックス投資を始めた
それから月日が流れ2018年に「貯蓄から投資へ」というスローガンのもと、つみたてNISA(旧NISA)がスタートしました。ちょうどその頃から、家計の管理を私がすることになりました(妻があまり家計管理が得意ではなかった)。
お金を自分の裁量である程度動かせることができるようになったこともあり、つみたてNISAで投資信託の積み立てを始めることにしました。
私がインデックス投資を始めた理由は、「将来に対しての漠然とした不安があった」ということに尽きると思います。インデックス投資が100%の正解になるかは分からないが、「今できることをできる範囲でやっておこう」と思いました。
証券会社は「サイトの見やすさ」を重視して楽天証券を選択。そもそも勝間さんの本を読んで予行演習をしていたこと、倹約の重要性・インデックス投資について学んでいたこともあり、つみたてNISAを始める心理的なハードルがぐっと下がっていたと思います。
目先の相場下落は確かに怖いですが、それ以上に将来の株式市場の成長を信じることができました。
「運用商品」と「購入比率」の理由
運用商品は、三菱UFJアセットマネジメントのeMaxis Slimシリーズの以下3商品を積立購入することとしました。
商品 | 配分比率 |
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) | 10% |
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 10% |
eMAXIS Slim 新興国株式インデックス | 80% |
eMaxis Slimシリーズを選んだ理由は、信託報酬が低かったこと、継続して低くしてくれることを目指しているファンドだったことです。
「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」というeMaxis Slimのコンセプトが気に入りました。
購入比率は、国内株式:10%、新興国株式:10%、先進国株式:80%という配分比率にしました。「ざっくり、世界全体の経済をエリア別の経済規模に応じて丸ごと買う」というイメージです。「ざっくり」なので配分比率について深く考え込むことなく決めました。完璧でなくてもいいので、大きく失敗しなければいいと割り切りました。
現在は、2024年に始まった新NISAを機に「三菱UFJ-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」に一本化しました。正直、バラバラに購入するのは面倒だと感じるようになったことが変更の理由です。オール・カントリーであればリバランスで考えることもありませんので。
オール・カントリーについては、以下の記事も参考にしてください。
「個人投資家が選ぶ! Fund of the Year 2024」に投票しました
現在の感想
インデックス投資を始めて良かったことは、
・生活態度を改めることができた(消費と浪費を意識することで生活にメリハリがつくようになった)
・本やブログ等の情報を吸収することで投資の世界を知ることができた
・「将来に対しての漠然とした不安」を少しだけ緩和できた
そして何よりも、
・思っていた以上の成果があったこと
・2024年11月末時点での「売却益(※1)」と「評価益(※2)」の合計:954万円(売却益:124万円、評価益:830万円)
※1 基本的に売却することはありませんが、一度だけ事情があって売却しました。
※2 家族全員分(私・妻・子供名義)の評価益の合計額であり、NISA口座や特定口座だけでなく、iDeCo、確定拠出年金、ジュニアNISAも含みます。また、投資信託がほとんですが、ETF・個別株も含みます。
日本では小学校から大学までの間に金融教育を受けることがほとんどありません(少なくとも私はそうでした)。
家庭においても、お金のことを話すのはなんとなく「はしたない」という感覚があるのか、話題に触れることもありませんでした。
もう少し早く投資について勉強しておけば良かったとも思いますが、思い立ったが吉日で「(投資に限らず)今できることをできる範囲でやっておく」ことが重要だと今では思います。
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